川留めの水は濁った

E1

地蔵峠の雨に消える

E2

峠に哭いた甲州路

E3

女人講の闇を裂く

E4

童唄を雨に流せ

E5

大江戸の夜を走れ

E6

六地蔵の影を斬る

E7

一里塚に風を断つ

E8

湯煙に月は砕けた

E9

土煙に絵馬が舞う

E10

龍胆は夕映えに降った

E11

木枯しの音に消えた

E12

見かえり峠の落日

E13

水神祭に死を呼んだ

E14

背を陽に向けた房州路

E15

月夜に吼えた遠州路

E16

無縁仏に明日をみた

E17

流れ舟は帰らず

E18